『100の思考実験』(ジェリアン・バジーニ)-0032
ともかく無性に面白い。学問としての哲学ではなく、「考える」ことが好きならば、間違いなく楽しめる一冊だ。
名前の通り100の思考実験が紹介されている。どれも奇妙な状況だが__だからこそ、思考実験をするのだ__、昔から哲学者が考えてきた問題が著者の解釈のもと、現代風にアレンジされたものであり、ある種の馴染みやすさがあるかもしれない。
なので、読んでいるうちに、学問としての哲学にも少しばかりは知ることができるだろう。が、そういうのはまったくおまけである。基本的には「考える」というそのプロセスの泉に、自分の思考をえいやっと突き落とす。そんな一冊だ。ジタバタもがいてみるのが、大変楽しい。