『村上龍対談集 存在の耐え難きサルサ』(村上龍)-0037
村上春樹さんを好んで読むが、村上龍さんもよく読んでいた。
いま見ると、すごい対談相手ばかりである。冒頭にある中上健次さんとの対談は、ハイコンテキストすぎて3割ぐらいしか理解できないが、それでも面白い。
今読み返してみて興味深いのは庵野秀明さんとの対談(「何処にも行けない)」だ。村上龍さんの小説が、読者にイメージを強要する、という指摘は面白い。映画よりも映像的な小説。
もう一つ、エヴァは本来サブカルにしかならないという庵野監督自身の指摘も興味深い。あの作品に共感する人が多いこと自体が、この国で行き詰まりを感じている人が多いことの表れではないかと庵野監督は述べる。たしかにそうかもしれないし、そうではないかもしれない。