『ソクラテスと朝食を』(ロバート・ロウランド・スミス)-0034


朝起きてから、夜眠るまでの「日常生活」の中に潜む哲学。それをじっくり考えていく、という一冊。『100の思考実験』と方向性は近い。

よくよく考えてみると、日常には不思議なことが山ほど眠っている。私たちが朝起きて自覚する「意識」、これは一体何なのだろうか。あるいはごく当たり前のように行っている「仕事」にはどんな意味があるのだろうか。考えはじめれば、疑問は次々と浮かんでくる。それと真正面からぶつかるのが、哲学の一つの実践である。

そもそも、ソクラテスは「よく生きること」の大切さを説いた。「よく在ること」ではない。だからこそ、日常生活のさまざまな行いに目を配る必要があるのだ。